舞鶴姫(まいづるひめ)

歌川豊広画・曲亭馬琴作『俊寛僧都嶋物語』(文化5、6年・1808、9刊)より 国文学研究資料館蔵

 鬼一法眼の娘。法眼の有する虎の巻を目当てに接近する牛若丸と密会する。舞鶴姫は牛若丸に協力し、父も牛若との婚姻を望む。しかし、姫の正体は鶴の前の霊魂の幻影であった。この絵は、鏡に髑髏が映るのを牛若丸が見るという場面。本作では、鬼一法眼の正体は俊寛とされ、読者の意表を突く展開が複数用意されている。