陸奥勝景道中絵図

書名読みむつしょうけいどうちゅうえず
所蔵弘前市立博物館
著編者山形岳泉が平尾魯仙などの原画を模写したもの
写刊年次明治後期/一九世紀末から二〇世紀初頭の写
寸法縦二四・〇×横一七・〇糎
丁数第一冊 一六丁 第二冊 一九丁 第三冊一四丁
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解説

 本画帳は、山形岳泉(嘉永五年~大正十二年、一八五二~一九二三)が、その師である平尾魯仙(文化五年~明治十三年、一八〇八~一八八〇)などが描いた作品を模写した粉本画帳である。ただし、どの絵が魯仙の絵の模写かは明確にできない。
 平尾魯仙は弘前城下紺屋町の商家に生まれ、江戸末期~明治初期にかけて弘前で活躍した日本画家であるが、和歌や俳句のみならず国学にも通じ、鶴屋有節ら民間の勤王家とも交わり、平田鐵胤門下となっている。その才能と博識さから「青森のダ・ヴィンチ」として紹介されたこともある(青森県立郷土館四〇周年記念特別展「平尾魯仙」二〇一三年)。
 本画帳は岳泉の画業の集大成である「模写蒐集百巻」の内の三冊でありその全体像を推し量る上で重要であるとともに、魯仙の作品の復元と、岳泉の模写のありようを探る上でも貴重なものと言えよう。