源氏物語之詞

書名読みげんじものがたりのことばがき
所蔵高照神社所蔵・高岡の森弘前藩歴史館寄託
著編者近衞基熙他
写刊年次元禄期
寸法縦三四・〇× 前巻一三九二糎 後巻一三九九糎
備考弘前市指定有形文化財(書跡)
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解説

 本書は、平安時代中期に紫式部が著した王朝文学である『源氏物語』全五十四帖より各巻の一部を、江戸時代中期の公卿五十四名が抜書したものである。
 前巻には「桐壺」から「篝火」までの二十七帖が、後巻には「野分」から「夢浮橋」までの二十七帖が抜き書きされ、外題は関白近衞基熙(一六四八~一七二二)の筆である。
 本書の監修者とも考えられる近衞基熙及び各巻を抜書した公卿五十四名の生没年から制作年代を推定すると、青蓮院宮尊證法親王が五十五名中一番早く元禄七年(一六九四)の死去である。
 制作遅延等を考慮に入れても、制作年代は遅くとも一七世紀末から一八世紀初頭には成立していたものと解して良いだろう。
 本書には「源氏詞書御筆者目録」及び「源氏詞書筆者目録」と題する二種の筆者目録と、古筆了音書状が附属している。目録は両者とも内容はほぼ同様であるが、 前者にのみ「外題関白基熙公」とある。書状は、宝永六年(一七〇九)に古筆了音が堀五郎左衛門に巻物二巻が真筆との鑑定結果を伝えるものである。

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