光明皇后(こうみょうこうごう)

蹄斎北馬画・高井蘭山作『絵本三国妖婦伝』下編(文化元年・1804刊)より 国文学研究資料館蔵

 聖武天皇の皇后。父は藤原不比等、母は橘三千代。本作には登場人物としてではなく、妖婦・玉藻前が、自らの体が光ったことを故事を引いて弁明する中に出てくる。そこでは「御身より光を給ふゆへ光明の二字を授けさせられ光明皇后とは称し給ふ」とされる。作品自体は、殺生石の伝説に基づき、金毛九尾の狐が三国に渡り悪事を働くさまを描く。