妖婦梢(こずえ)

 岩城山に住む謎の妖女。主の岩木正氏の転覆を謀る佞臣・村岡玄蕃が目を付け、側室としてあてがい、主を堕落させる。その正体は、かつて岩城山で正氏に同族を多く殺された白狐の化身であった。復讐のために正氏に接近したが、正氏との間に子を宿してしまい、その恩愛との間に苦しみ、最終的には子と別れ自身は遠国へと去るという悲哀を帯びる。