貞児(さだこ)

 下総の名医・恵仲の娘。父が新田義興の遺児・徳寿丸の師となったことから、数奇な運命をたどる。冤罪を受け金策に迫られた父のために遊里に身を売ろうとし、その孝を認められ、村長の娘の侍女となる。やがて、悪瘡を発した徳寿丸の妻となり、必死に看病し快方に導く。その後も、足利方に復讐を期す徳寿丸を妻として支え続ける芯の強さを持つ。