白糸姫(しらいとひめ)

葛飾北斎画・小枝繁作『小栗外伝』三編(文化12年・1815刊)より 国文学研究資料館蔵

 善政を施す城主・結城持朝の娘。妖魔に拐かされた娘を救おうと手を尽くす持朝は、怪僧・申陽の仕業と知り倒そうとするものの叶わず、折しも小栗夫婦を支えようと藤沢からやってきていた常阿上人に助力を乞う。先に怪僧の正体が長寿の猿の化けた玃かくと見破り退けていた上人は持朝に秘術を与え、小栗の勇士の助力もあり、退治と救出に成功する。