花児(はなこ)

葛飾北斎画・小枝繁作『小栗外伝』二編(文化11年・1814刊)より 国文学研究資料館蔵

 青墓の宿屋主人・万長の娘。自分を救った小栗助重に思いを寄せるが、万長の家に招かれた助重は、人買のために婢女・小萩として働いていた妻・照天姫と再会。花児は嫉妬にかられながら、なおも助重に言い寄る。その後姫は賊にさらわれ、万長は強引に花児を助重に娶すが、それでも姫を選んだ助重に、花児は狂乱死し、霊となって二人を悩ます。